コールセンターにおける放棄呼とは?
放棄呼とは、コールセンターにかかってきた通話が、オペレーターに接続される前に顧客自身が通話を終了させることを意味します。これは、待機時間が長い、音声ガイダンスが複雑であるなどの理由で、顧客が通話を続けることを放棄することが主な原因です。
放棄呼とあふれ呼の違い
放棄呼は、前述の通り顧客が待機中に通話を終了させる現象です。一方、あふれ呼は、コールセンターのオペレーターが忙しいために、新たな通話を受け付けられない状態を指します。つまり、放棄呼は顧客の意志によるもの、あふれ呼はシステムや人手の制約によるものという違いがあります。
放棄呼率の平均は?
放棄呼率の平均は、業界やコールセンターの規模、サービス内容によって異なります。一般的に、日本のコールセンターにおいて放棄率の平均は8%ほどと言われています。ピーク時やキャンペーン時などの特定の状況下では、この数値が上昇することもあります。
放棄呼を減らすための対策
以下では、放棄呼率を下げ、機会損失を防ぐための対策をご紹介します。
待機時間の短縮:オペレーターのスキルアップや人員の適切な配置で対応速度を上げます。または、オペレーター業務の自動化により応対時間を短くすることで、より多くの顧客に対応する環境を作ることも重要です。
IVRの最適化:顧客が迷わないようガイダンスを見直し、オペレーターへつなぐ件数を減らします。また、音声認識のIVRやAIによる自動音声回答など、最新のIVR機能を活用し、入電数を減らすことも可能です。
コールバック機能の導入:ピーク時など、オペレーターが後でかけ直すコールバック機能を活用することで、長い時間待たされることによる、顧客満足度の低下を防ぐことができます。
ピーク時の対応強化:ワークフォースマネジメント管理機能などAIによる的確な呼量予測により、ピーク時間帯などに適切な人員を配置し応対できるようにします。
セルフサービスの強化:よくあるお問い合わせや簡単な問い合わせについては、FAQやAIチャットボットで回答できるようにし、Webへの誘導を促すことで、顧客の自己解決へつなげるのも1つの方法です。これにより入電数を減らすだけでなく、早急な課題解決につながります。
放棄呼率はあくまで目安にしかすぎません。いかに数値を下げるかよりも、顧客体験の指標やCXに関する指標と合わせて見ていく必要があります。放棄呼率が高くなることで、顧客体験が低下し始めたら、上記のような対策を講じる必要があります。
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