コールセンターの応答率を上げるには

著者の経験上、エージェントはシフトの終わりにかけて、通常よりも10倍近く電話をとりたがらない傾向があります。コンタクトセンターの管理者が、そうした行為を見つけ、改善するにはどうすればよいでしょうか。

応答率を下げるエージェントの応対回避 

どんな時間帯であれ電話に対応する、エージェントが望ましいことは明らかです。一方で、エージェントが電話をとらないと、応答率が下がり、あふれ呼やクレームの増加など、結果的に顧客の満足度を下げてしまう問題が起こります。こうした悪循環を避け、応答率を上げる方法を見ていきましょう。

エージェントの応答率を向上させるには 

応対回避で見られる行動は他にも無数にありますが、以下が最もよくあり、昔から存在する手法です。コンタクトセンターの管理者は、顧客に悪影響を与える応対回避行動の検出対策を実施することを推奨します。以下の行動のいずれかが気になる場合、コール回避の先手を打つための対策とヒントを紹介します。

1.スマートなルーティング 

エージェントが休憩やシフト終了の直前に受けるコールの種類を管理することで、電話を避ける意思を克服しやすくしましょう。例えば、ワークフォースマネージメント(WFM)の機能を使えば、シフト終了間際に長時間に及ぶ応対をルーティングしないようルールを作成できます。

エージェントの立場からすれば、シフト交代の5分前に、平均30分かかる電話を受けることほどいやなことはありません。ACDへワークフォース支援を導入し、シフト時間内で解決可能な応対を割り当てることで、エージェントの残業を減らすこともできます。

2.生産性スコアの定期的な確認 

エージェントとスーパーバイザーがモニタリングできるよう、毎日の生産性スコアカードを作成しましょう。このスコアカードは、社内の応対品質、顧客とのやりとりから得られた顧客満足度調査スコア、基本的なコンタクトセンターのKPI(平均処理時間、保留時間、応答率、スケジュール遵守率、一次解決率など) を追跡する、指標を含める必要があります。こうした指標測定を通じて、コンタクトセンターのスーパーバイザーとマネージャーが、パフォーマンス低下が懸念される領域についての洞察を得られます。

3.問題のある応対の発見 

通話の転送率が高い場合は、発生率が高い時間帯で録音された通話を聞くことで、問題が見つかりやすくなります。同じ手法は、短すぎる電話、休憩時間やシフト終了間際に行われた通話にも適用できます。特に保留時間が通話時間の10%を超えるコールに耳を澄ませてください。エージェントと電話がつながる前に、電話を切ってしまう放棄呼なども、応対回避の行動を見つけるのに役立ちます。

コンタクトセンターでの応対回避は、顧客満足度や生産性を落とすため、深刻な問題です。コンタクトセンターの管理者は、エージェントを信頼する必要がありますが、応答率や生産性の向上のためには、エージェントの仕事領域を見直すことは不可欠です。